岡山県南西部に位置する浅口市鴨方町に計画された、家族4人が住まうための住宅
市街地から近い距離にありながら小高い丘の上に位置するこの敷地は、周囲に遮るものがなく眺望にも恵まれており、住まいを構える環境として申し分ない場所であった
一方で、周辺には古くからの住宅と近年建てられた住宅が混在しており、この街並みに調和しつつ、これからの長い年月を経ても美しいと感じられるものでありながら、現代の快適性も備えた住宅とはどのようなものか
そうした課題を念頭に設計を進めた
完成した建物は周囲との調和を意識し外壁には羽目板張りを採用し、その外壁を保護するように寄棟屋根の深い軒を建物全周にわたってかけた
この軒は夏の強い日差しを遮る一方で、冬には十分な日射を取り入れることで快適性を実現している
室内では羽目板張りの勾配天井を面ごとに勾配を変えることで、変化を持たせつつも包み込まれるような安心感を醸成している
この建物がこの地に根ざし、風格ある佇まいを保ち続けることを願う