建築地:広島県福山市草戸町
構造:木造2階建
敷地面積:136.91㎡(41.41坪)
延床面積:94.14㎡(28.47坪)
家族構成:夫婦+子ども1人
広島県福山市にある古くからの住宅が建ち並ぶ住宅密集地に建つ住宅。
建て込んだ市街地の南北に細長い敷地形状のなかで、道路や近隣からの視線をさけながら瀬戸内沿岸の温かい日射や心地よい風を取込み、自然とつながり開放感のある暮らしをおくるための家とはどのようなものなのか。
その答えとして、敷地奥に2階リビングの居住域・手前に車庫とバルコニーのある家の計画となった。
地域との緩衝役としての車庫・バルコニーを作るため、シンプルな切妻屋根の南側を延長させた。さらにその中にある二階リビングの南面開口部は日射シミュレーションによって得られた約20°の角度を持たせた。
これによって道路や近隣からの視線を遮ると共に、適切な方向への視線の広がりと光や風の通り道を作りだしている。
約20°の角度によって生まれた三角形の吹抜けは庭となり樹木が植えられ1階2階双方から自然の息吹を身近に感じられる風景を作りだしている。
また、リビング・バルコニーからも眺められるこの庭には鎖樋が下がり、それを伝う雨音や垂れる雨水の様子はこの家独自の演出効果となっている。
季節の移ろいや小鳥のさえずり、風に揺れる木々の音など日々の暮らしに潤いを与えられるような家となった。
受賞
2019年度 グッドデザイン賞
掲載
建築知識ビルダーズ45 設計上手の美しい外観ルール110
建築知識2022年3月号